初めてのタイで拉致軟禁された話②

マレーシアから来た姉妹

「私達ね、兄の仕事の手伝いでタイに住んでるの。」という、おばちゃん二人はマレーシア人姉妹だという。

親戚が大阪に仕事で行ってるとか、そんな話をカフェでしていた。

当時の私の英語力は「日常会話程度」だったので、4割ほどしか聞き取れていなかったが、人懐こい二人はいろいろ私にも話を振ってきた。

40分くらいして、「そろそろお腹すかない?私達の家ここから近いんだけど、よかったら一緒にどう?うちで食べていかない?」と言われた。

夜に友達と会うまでは暇だったので、近いならいいかなと思ってお邪魔することにした。

カフェを出て、外でタクシーを拾った。

 

タクシーで・・・・どこまで行くの・・・?

 

タクシーはバンコクの街中を走り、気づいたら高速に乗っていた。

「えっ、ちょっと、すぐ近くじゃないの?」と聞いたら、「すぐだよ~!」と。

外国人の「すぐ」の感覚は日本人と違う、というのはわかっていたのものの、さすがにバンコクのあの高層ビル街がはるか遠くに見える距離を走ったときは不安になった。

それでもまだ、当時の私は「うーん、私が英語聞き間違えたかな・・・」と思っていた。

タクシーに乗ってから30分くらい走っただろうか。

高速道路を降り、田舎の住宅街へ入った。周りに高い建物なんてない。

真っ白い四角い大きな家の前でタクシーは停まり、降ろされた。

入り口には門があって、明らかに周りの家とは違う、立派な家だった。

「This is our house!! Welcome!!」と中に通された。

 

豪華な料理と豪華なおうち

 

玄関を入ると、天井が高いリビング兼ダイニングのような空間。床はおそらく大理石で、天井まで全部真っ白だった。

そして長テーブルの上にすでに食事が用意されていた。

「これ、何人で住んでるんだよ・・・」ってくらい、長いテーブルだった。多分15人くらいは座れたと思う。椅子の数は忘れてしまった。

タイや東南アジア料理でよくある、魚を煮付けたようなやつ(すみませんざっくりで)から、ご飯、チキンを揚げたやつなど、大皿に7,8種類は置いてあった。

お手伝いさんが食事を作っていたようで、サーブから何からやってくれたし、飲み物はスプライトやコーラ、オレンジジュースなど、数種類用意されていた。

こんな豪華な料理と、現地人のお宅訪問出来たのが嬉しくなってしまって、「うわーーー!!いただきまーーーす!!!」と、遠慮なく食事を頂く私。

今の私だったら、絶対に食べない。っていうか家に入らない。っていうかっていうか、そもそもタクシーに乗らない。

私と姉妹二人で食べるには多すぎる量だったので、「ちょっと多すぎない?」と聞いたら、「もうすぐ兄が帰ってきて、一緒に食べるよ」とのこと。

彼女らがマレーシア人だからか、出てきた食事にタイ料理らしいものはなかった。似てるようなものもあったけど、ちょっと違うんだなって思いながら食べていた。

お腹いっぱいになった頃、「あ!帰ってきた!」と姉妹が言う。どうやら兄が帰ってきたようだった。

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